「あと1年の命」が2年ももった。もういいでしょう? 担当医の言葉に愕然
あと1年の命と告知された患者さんが、2年生きられたからもういいだろう……そうでしょうか? 「1年の命」というのは単に過去の統計データであって、その患者さん自身に当てはまるわけではありません。
1年たっても2年たっても、過ぎてしまえばさらに生きたい気持ちになるのは当たり前のことだと思います。
過ぎた過去は過去。本人にとってはそれがリセットされて今があり、そして「これからの命」もあるのです。
ましてAさんは今はとても元気そうです。「2年もったからもういいでしょう」という言葉は、Aさんにしてみれば、自分の命は「捨てられた命」で、そう言われているのと同じことだと感じたのです。今のAさんには生きる希望が必要です。
ずっと黙っていた息子さんは、Aさんが一通り話し終わると、「2年生きられたからもういいでしょう? なんて、担当医が患者に言う言葉でしょうか」と怒りをあらわにしていました。それも当然でしょう。
■生きたいという思いを剥ぎ取ってはいけない