3度目のがんが見つかった患者さんから届いた「3つのやりたいこと」
2度目の乳がんが見つかった主婦のFさん(56歳)から、こんなメールが届きました。
「手術無事に終わりました。ご心配いただき本当にありがとうございました。私ばかりなぜ?とつい考えてしまいますが、こうして連絡をいただき本当にうれしいです。(中略)私の中でやりたいことは後3つ。さんざん心配かけた両親をきちんと看取ること。孫の顔をみること。ボランティアをすることです。こんな体では無理でしょうか」
私が最初にFさんにお会いしたのは、確か彼女が17歳、白血病で入院された時でした。当時は本人に病名を伝えることはなかった上、抗がん剤の種類も少なく、吐き気や嘔吐などの副作用を軽減する薬剤もありませんでした。Fさんは、病名も分からないまま、つらい副作用に耐えなければなりませんでした。両親をはじめ、医師や看護師が我慢するように説得し、いわば無理やりに治療しました。
Fさんは懸命に耐えに耐え、当時としては運良く完全寛解となりました。5年以上たっても再発なく完治され、通院も必要なくなりました。Fさんが自分が白血病だったことを知ったのは、それから10年たって結婚する直前だったそうです。