皮膚がただれて剥がれ落ちる副作用はさまざまな薬で表れる
症状の範囲が広いのがTENで、比較的狭い(水疱など皮膚が剥がれた面積が10%以下)のがSJSということです。いずれも激しい症状が表れるので、入院してやけどの治療に準じた処置が行われます。
原因となる薬は、痛み止めなどの消炎鎮痛薬、抗菌薬、抗けいれん薬、高尿酸血症治療薬などさまざまで、時には総合感冒薬(風邪薬)でも表れるケースもあり、特に注意すべきものを挙げるのは難しいといえます。
ただ、TENやSJSの副作用が出るのは交通事故に遭うより低い頻度で(TENの場合、毎年100万人当たり0・4~1・9人ほど)、過度に心配する必要はありません。まれなケースとはいえ、そうした重篤な薬疹を避けるためには、用量や用法などを守って薬を適正に使用することが大前提で、受診時の「アレルギーはありますか?」といった簡単な問診に、きちんと答えることが大切です。