著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

死に至る「肺炎」が薬の副作用で発症するケースもある

公開日: 更新日:

 日本における死亡原因の3位は「肺炎」です。細菌やウイルスへの感染が原因になる場合が多く、とりわけ65歳以上になると要注意です。

 そんな肺炎が、薬の副作用として起こるケースがあることをご存じでしょうか?

 薬の副作用による肺炎は「間質性肺炎」と呼ばれるもので、肺の間質(薄い肺胞の壁)に炎症を起こします。進行すると呼吸困難や呼吸不全となり、心不全を起こして死を招くことも少なくありません。初期症状は、空咳(痰のからまない咳)や息切れが特徴で、発熱がみられることもあるため、単なる風邪として見落とされがちです。

 薬剤性の間質性肺炎が疑われた場合、まず行うべきは被疑薬(副作用が疑われる薬)を中止することです。それだけで自然に回復する場合もあります。つまり、できる限り早く被疑薬を中止することが大切で、そのためには早期発見が必要なのです。

 血液検査に加えて胸部X線、CTなどの画像検査で診断を行います。

 間質性肺炎を起こす可能性のある薬として、細胞障害性のある抗がん剤の一種(ブレオマイシンやマイトマイシンCなど)が知られています。これらは使用を開始して数週間~数年で間質性肺炎を発症する恐れがあります。ほかにも、肺がん治療薬のゲフィチニブ(イレッサ)は、4週間以内(特に2週間以内)に起こりやすいといわれています。

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