「連携手帳」はがん患者が安心して自宅で過ごすために役立つ
つまり、Hさんの場合はA拠点病院での抗がん剤内服治療、定期の検査予定などが手帳に示され、高血圧と高脂血症の診察はR内科医院で引き続き行われます。発熱や他に症状が表れた時はR内科医院で診て、必要に応じてA拠点病院に紹介されるという流れです。
がん患者が安心して自宅で過ごせる、いわば“2人主治医制”ともいえるかもしれません。他の病気になって、別の医療機関を受診する場合でも、この連携手帳を持参すれば治療内容が正確に伝わるため、診療に役立つのです。
■問題点も指摘され見直しことになっているが…
このような5大がん(肺がん・胃がん・肝がん・大腸がん・乳がん)の地域連携クリニカルパス(手帳)は、国のがん対策推進計画によって作られることになりました。手帳の内容は主に以下の4部から構成されています。
ア)医療連携の説明(かかりつけ医と専門病院の役割分担、緊急対応などの解説)
イ)手術などの治療内容
ウ)診療予定と簡潔な診療情報