意外に多い人獣共通感染症 犬猫に噛まれたらどうすべき?
北海道の港湾で外国船の犬の不法上陸が多いことから北からの狂犬病の侵入や、輸入時に検疫拘留のない小動物からの侵入も懸念される。
東京大学の研究チームは狂犬病のワクチン接種を現行の1年から2~3年に1度でもいいと提言しているが、ワクチン接種そのものを不要といっているわけではない。犬、猫に共通の人獣共通感染症であるカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症は、噛まれたり、ひっかかれることによって感染し、発熱、下痢、全身倦怠感、敗血症などを引き起こす。
パスツレラ症はパスツレラ菌の感染により発症する病気で、ひっかき傷や噛み傷が化膿して、呼吸器疾患や骨髄炎、外耳炎などのほか、敗血症、髄膜炎などを発症することがある。
「猫ひっかき傷」として知られるバルトネラ病は、バルトネラ菌を持つノミの吸血によって猫や犬に感染。その猫や犬によるひっかき傷や噛み傷から人に感染する。感染しても猫や犬は無症状だが、人は傷口のほか、リンパ節が腫れて痛みを伴い、数週間から数カ月持続する。まれに脳炎、骨溶解などを発症する。