バランスの良い健康的な食事は喘息の悪化を少なくする
喘息(ぜんそく)患者の数は、過去30年間で増加していることが報告されています。その要因として、生活環境や食習慣の変化などが挙げられますが、食習慣と喘息の関連についてはあまり明確なことは分かっていませんでした。
そんな中、食事内容と喘息の関連を検討した研究論文が、欧州呼吸器学会誌の電子版に2018年7月11日付で掲載されました。
この研究は、フランス在住で呼吸器症状に関するアンケート調査に回答した18歳以上の男女3万4766人のデータを解析したものです。食事内容については、野菜、果物、穀物、脂肪分などの栄養成分を評価した「代替健康食指数」と呼ばれる尺度などを使って評価されました。食事内容の評価指数に従って、食事の質が最も悪い集団から最も良い集団まで3つのグループに分け、喘息症状(0~5点で評価)や喘息の悪化状態が比較検討されています。
解析の結果、喘息の症状は代替健康食指数が最も悪い集団に比べ、最も良い集団で男性では33%、女性では21%、統計学的にも有意に低下しており、良好であったことが示されました。また、喘息の状態が悪化していた人は、食事の質が最も低い集団に比べ、最も高い集団で男性では61%、統計学的にも有意に少なく、女性では27%少ない傾向が示されました。