運動不足、血圧上昇、暴飲暴食…冬は腎臓にとって辛い季節

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 腎臓は腰のやや上にある空豆に似た形の臓器。背骨を挟んで左右に1つずつあり、握りこぶしよりやや大きく、体内環境を整える働きがある。

 全身を巡った血液から老廃物を取り除いてきれいにしたり尿を作って体内の水分量を調節したり、酸素を運ぶ赤血球や骨を丈夫にするなどのホルモンを作る。

 我慢強く、その働きが半分になっても自覚症状は表れない。そのため気づいたときには取り返しのつかない状態になっていることが多い。事実、徐々に腎臓の機能が損なわれていく慢性腎臓病(CKD)の日本の患者数は1330万で成人の8人に1人といわれているが、治療している人は多くはない。

 腎臓にとって冬は、大量の水分補給でろ過する血液の量が増えて酷使され続ける真夏同様、危険な季節だ。腎臓病専門医で松尾内科クリニック(東京・桜新町)の松尾孝俊院長が言う。

「腎臓の病気は毛細血管が毛糸玉のように集まって血液のろ過を行う糸球体、血管、尿細管、間質(尿細管と尿細管の間を埋める物質)などで起こります。CKDを引き起こす原因として肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧などが挙げられます。特にCKDから腎不全、人工透析へと悪化しやすいのは糖尿病と高血圧です。冬は寒くて運動不足になるうえ、忘年会やクリスマス、お正月など飲食する機会が多く太りやすい。しかも血糖値や血圧は冬は上昇しやすいからです」

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