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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「平均寿命」は「平均死亡年齢」ではない まったくの別物

公開日: 更新日:

 老後を考えるうえで、もっとも重視されているのが平均寿命。自分が何歳ぐらいまで生きられるかを具体的に示す数字なのだから……。

 でも、それは本当に正しいのでしょうか。

 厚生労働省によれば、直近の数字(2017年)は、男性81.09歳、女性87.26歳でした。

 この数字を素直に受け止めるなら、50歳のサラリーマンならあと約30年、60歳なら約20年生きることになりそうです。ですから、そのつもりで老後設計をすればいいのです。

 もし「平均寿命=平均死亡年齢」だとしたら、その判断は正しいといえるでしょう。しかし残念ながら、この2つはまったく別物なのです。

「2017年の平均寿命」とは、17年に生まれた子供たちが、平均して何歳まで生きられるかを、いま分かっている各年の死亡率に基づいて計算した数字です。

 仮に、17年生まれの男の子が10万人いたとしましょう。最新の死亡率を当てはめると、このうちの191人が1歳になる前に亡くなります。同様に2歳になるまでに31人、3歳になるまでに13人、という具合に徐々に減っていきます。そして84歳で半分の約5万人になり、90歳に達すると約2万6000人になります。

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