「平均寿命」は「平均死亡年齢」ではない まったくの別物
こうして年齢ごとの死亡数をシミュレーションして、その平均を取ったものが平均寿命というわけです。
あなたが何歳ぐらいまで生きるかを示す指標ではありません。
では厚生労働省が、高校生に向けて「95歳を基準に老後設計すべき」と言っているのはなぜでしょうか。17年生まれの平均寿命が81歳で、高校生が95歳というのは変な話です。
理由は、計算に使われているのが現在の死亡率にすぎないという点です。
国民の健康意識の高まりや、医療の進歩などによって死亡率が毎年少しずつ改善されています。その結果として、平均寿命も毎年のように延び続けているのです。
厚生労働省はそれを見越して、高校生に95歳という目安を提示しているのです。
中高年も同じです。1970年生まれ(現在48歳)の男性の平均寿命は、当時69.31歳と発表されていました。ですから平均寿命に惑わされてはいけないのです。