治らないめまいに“持続性知覚性姿勢誘発めまい”の可能性
PPPDは浮動感、不安定感、非回転性のめまいのうち1つ以上が3カ月以上ほぼ毎日続く。
「椅子から立ち上がった瞬間、ふらついたり、ラッシュの人混みや陳列物を見ると揺れる感じが強くなります。ベッドから起き上がる、目の前の風景が変わるなどで症状が悪化します」
■抗うつ薬の一種が効くという声も
PPPDは心因性めまいなど、ほかのめまいの疾患と合併していたり、良性発作性頭位めまい症と混同して診断されているケースもある。治療法は確立されていないが、うつ病治療などに主に使われるSSRIが効くこともあるといわれている。
ただし、石井医師は、薬だけの使用に懐疑的だ。かつて、めまい治療に薬を積極的に使っていた時期もあったが、一時的にめまいに効いても、今度はこのような薬をやめることが非常に難しいという新たな問題点が生じるからだ。
「長いめまい治療の経験から、疾患が何であれ、めまいでは薬を使わない治療法が最適と考えるようになりました。PPPDについては、薬の使用に関しては意見が分かれています。そもそも私はめまいと自律神経の関係に着目し、自律神経の偏りをリセットすることに重きを置いた治療を行っています。ほかの医療機関で良くならなかっためまいが改善したケースは多くあります」