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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

平均寿命が延びて要支援・要介護年齢は5~8年後ろ倒しへ

公開日: 更新日:

 この間のデータは、男女合計の数字しか公開されておらず、かつ年齢的には前期高齢者と後期高齢者にしか分かれていないため、細かいことまでは分かりません。

 しかしこの10年間で、平均寿命は男女合計で約1・7歳(男性約2歳、女性約1・4歳)延びています。つまり平均寿命の延びに呼応して、要支援・要介護年齢も高齢化しているわけです。

 いま60歳の男性の実質的な平均寿命は約86歳、50歳男性なら88歳ですから、いまの中高年が要支援・要介護になる年齢は、5年から8年ぐらい後ろ倒しになっていると考えていいでしょう。つまり75歳までに要支援・要介護になる人はせいぜい1~2%に過ぎず、70代後半で20人に1人、80代前半で10人に1人程度になると見込めるわけです。言い換えれば、大半の人が、少なくとも80代前半までは介護のお世話にならずに暮らせますし、軽い仕事なら定年後20年間は続けられるということです。

 そのためには、心身ともに若さを保つ、少なくとも重病を避ける工夫が必要でしょう。しかし、そんなことが都合よくできるでしょうか。次週はこの問題を取り上げたいと思います。

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