自由診療の医師が解説「歯科矯正」今さら聞けない基本のキ
では、歯列が乱れやすいのはどんな人なのか?
「両親の体格が大きく違っている人は遺伝的に顎と歯の大きさがアンバランスで歯列が乱れる場合があります。親が受け口の人は、子供も下顎が、上顎よりも出ていることが多い。歯列はわずかな力でも乱れるため、頬杖をつく癖がある人、指しゃぶりがひどかった人、アデノイドが大きいなどのため口呼吸になっている人、口呼吸で舌が垂れ下がり上顎でなく下顎の前歯を押している人なども注意が必要です」
■早期治療は必要?
幼い時期は、下顎より上顎の方が早く成長する。そのため、早くから矯正するのは合理的でないという意見もある。歯科矯正はいつから始めればいいのか?
「矯正には永久歯を対象にした成人矯正と、それ以外の小児矯正があります。歯列の状態にもよりますが、私は4~5歳から始めてもいいと考えます。顎の成長が止まった大人の歯科矯正では、顎は動かせずに歯を動かす治療となります。そのため第1小臼歯などを抜歯して、歯の本数を減らすことで歯列を整えなければ治療が難しいケースも出てきます。しかし、顎の成長が続く子供の時期に治療すると、顎の成長をコントロールしながら歯科矯正でき、歯を抜かずにすむことが多い。上顎と下顎のアンバランスや歯と顎のアンバランスを是正することで、永久歯の正しくはえるスペースを確保できるからです」