健脳ドックはアルツハイマー病リスクを早期予測し脳を守る
■12項目の危険因子に相対リスクをかけてリスクを数値化
同院のもうひとつの特徴は、新井医師が長年の研究で開発した「プラウドスコア(認知症発症リスクスコア)」を用いた予防対策。糖尿病などの生活習慣病をはじめ、難聴、うつ病、運動不足、睡眠不足など12項目の危険因子に相対リスクをかけて計算。認知症の発症リスクを数値化することができる。
発症までは「発症リスクあり」「前駆状態」「軽度認知症(MCI)の疑い」の3段階ある。この期間に健脳ドックの検査結果に基づいて、生活改善や生活習慣病治療など認知症の専門医が早期から予防介入できる仕組みになっている。
「認知機能の低下はあるが自立した生活ができるMCIの状態でも、発症を遅らせる2次予防に取り組めば10~20%は元に戻る患者さんがいます。また、初期認知症の状態で見つかっても、早く治療を開始すれば効果が出やすく、自立した生活を長く続けられるのです」
ただし、アミロイドPET検査は保険適用外で、現状では主に大学病院の研究を中心に行われている特殊な検査。しかも検査薬は使用できる時間が限られ、検査のたびに製造する必要があるので高額になり、同院の健脳ドックは通常1回受ける場合の費用は60万円(税抜き)もする。