病気につながる可能性も 「耳掃除」は月1回程度で実は十分
「耳掃除は、耳の穴から鼓膜の手前までの外耳道にたまった耳垢を掃除するもの。耳垢は皮膚の老廃物なので“垢”という認識は正しいですが、一般的には奥の方の耳垢はそのうち自然と手前に移動し、耳の外に出てしまう。耳掃除でかえって耳垢を耳の奥に押し込んでしまい排出しづらくすることも。適度な量の耳垢には、外耳道を保湿する働きがあるので、取り過ぎは禁物です」
毎日のように耳掃除をしていると、外耳道の耳垢がゼロになる。すると外耳道が乾燥しやすくなる。そこを綿棒や耳かきでこすると、それは乾燥した顔や手の皮膚を垢すりでゴシゴシこするようなもので、荒れて当然だ。顔や手の皮膚の場合は目に見えるので、赤く腫れていれば、さすがに「こするのはやめよう」と思うだろうが外耳道は見えないため、ついやり過ぎてしまう。
「綿棒を“軟らかいもの”と思っているのかもしれません。しかし、結構刺激が強い。耳掃除をし過ぎると外耳道が傷つき、外耳炎を起こします。これらの患者さんは、例外なく、耳垢がゼロです」
■風呂上りの綿棒もNG
外耳炎の症状は、耳の痛みやかゆみ、耳だれ。耳掃除のやり過ぎが原因で外耳炎を起こし、今度は外耳炎でかゆくてたまらなくなり綿棒や耳かきでかいてしまう。すると、外耳炎が一層悪化する。悪循環だ。