糖尿病の「基準値以下」でも心筋梗塞や脳卒中を起こす人は
ガイドラインは、何十年間にわたるデータを利用して作っています。今のガイドラインの内容は、現在の人の食生活を反映したものではなく、過去の人の食生活を反映したもの。しかし、10年前、20年前から、食事や生活様式は大きく変化しています。
当時のデータでは、空腹時血糖が126㎎/デシリットル以上、ヘモグロビンA1c7%以上を糖尿病とするのがベターだと考えられたのですが、今のリアルな食生活なら、もしかしたら数値をもっと低くすべきかもしれません。
つまりお伝えしたいのは、ガイドラインの数値はひとつの目安であり、もし基準値ギリギリだったり、糖尿病予備群とすでに指摘されている人は、「基準値を超えていないから大丈夫」では全くないということです。
■「健康」という過信が落とし穴に
さらには、ガイドラインは各病気ごとにあります。糖尿病のガイドラインはクリアしても、高血圧や脂質異常症のガイドラインで引っかかった……というようなら、危機感を抱いて生活習慣の改善をしなくてはなりません。“毎年、軽度異常を指摘されているけど、体の調子も悪くないし、そんなに気にすることはないのではないか”という考え方は危ないです。