必要なのは「記銘→再認→再生」を繰り返すトレーニング
■音読も記憶を定着させる
前回、認知症の症状は皆無、認知症検査でも満点を取って担当医を驚かせた95歳の女性の話を紹介した。彼女は毎日、クシャクシャになるほど大好きな新聞を熟読する。これはまさに「記銘↓再認↓再生」を繰り返していると言える。これによって、新しい情報の記憶が脳に定着しているものと考えられる。
ときどき、音読もしているというからトレーニングとしては完璧だ。この女性、目下、ガラケーからスマホに機種変更して、使い方を習得中だというから見事というほかない。
ちなみに、長年、私は大学受験成功のノウハウを研究し、受験本を多数執筆してきた。また、医大受験のための通信教育も主宰しているが、反復や音読が知識の記憶、定着に大きな効果があることは自信を持って断言できる。
いずれにせよ、認知症の人をふくめて「高齢者は新しいことをまったく覚えられない」という認識は改めたほうがいい。