インプラントはリスクを考えて治療前の適切な診断が不可欠
その上で、そもそも手術自体を受けられる状態かどうか、血液検査のデータを見て患者さんの全身的な状態を判断します。日本口腔インプラント学会では、こういった全身的、局所的な評価をした上で、状況によっては治療を中止することも提案しているほどです。
ある患者さんにインプラント治療のリスクとCT検査、血液検査の必要性を話したところ、「よその医院ではその場でインプラントをしようと言われたのに、何ですぐ処置してくれないんだ」と、受付のスタッフや他の患者さんに聞こえるような声を上げ、怒って帰られてしまったことがありました。
リスクを考えず、適切な診断もせずに手術をして、もし何かあったとき一番の犠牲者は患者さん自身だということを、まずご理解いただきたいと思います。
(構成=小澤美佳)