膵がんへの移行も 前がん病変として気をつけたい2つの疾患

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 今回は膵嚢胞性腫瘍のなかでもとくに膵がんへの移行が懸念される「膵管内乳頭粘液性腫瘍」(IPMN)と「神経内分泌腫瘍」(NET)についてお話しします。

 膵嚢胞性腫瘍とは膵臓の中や周囲にできるさまざまな袋状の腫瘍のことです。健康診断などで受ける腹部超音波検査やCT検査などで偶然見つかることが多いことで知られています。

 IPMNはそのひとつで膵管内にできたポリープからドロッとした粘液がたくさん作られます。そのせいで膵管が膨らむためお腹や背中が痛くなることがあります。最近は高い精度の画像診断が行われるようになり、自覚症状が出る前に見つかることが増えています。

 IPMNは通常の膵がんのように発見されたときにはすでに進行がんということはありません。さまざまな段階があり、良性から悪性に変化していくことが知られています。膵管外に浸潤すると通常の膵がんと同じ悪性度の高いがんになるとされています。

 IPMNは腫瘍が主に主膵管にある「主膵管型」と分枝にある「分枝型」、それに「混合型」の3種類あり、一般的に主膵管型で膵管の太さが太いところにあるほど悪性頻度が高いとされています。過去に膵嚢胞(径)が3センチのIPMNの発がん率は14%という報告もありました。

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