膵がん早期発見「超音波内視鏡」だけでなく総合診断が必要

公開日: 更新日:

「超音波内視鏡」(EUS)は膵がんの早期発見の有力な武器であることは間違いありません。膵臓は体の奥深くにあり、内視鏡であってもその中に入ることができません。ところが、内視鏡の先端に超音波診断装置を取り付けたEUSなら、胃や十二指腸越しに膵臓を観察することができます。最近では内視鏡の先端から針を出して、がん病巣に差し込み、組織を採取する「超音波内視鏡下穿刺吸引法」(EUS―FNA)も急速に広まっています。

 ところが、日本膵臓学会が作成した「膵癌診療ガイドライン2019年版」では「推奨の強さ:弱い、エビデンスの確実性:C(弱)」となっています。その理由は何なのでしょうか?

 EUSではまれに出血、穿孔、ショックといった偶発症が発生することもありますが、臨床的にはガイドラインが引用した論文ほど高い成績が得られるとは限らないからでしょう。

 EUSは操作する医師の技量などにより、その結果が異なります。中には病変を見落とすケースもゼロではありません。また、肝臓に向かう太い血管の門脈といわれる部分に浸潤したがんを見つけるのは得意ですが、必ずしも膵臓全体から小さながん細胞を見つけるのが得意であるわけではありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に