いまは1日1回が主流 血圧の薬は寝る前に飲むのがいい?
高血圧で薬を飲まれている方は多いと思います。昔の血圧の薬は1日2回や3回に分けて飲むことが多かったのですが、最近の降圧剤は1日1回が主流になっています。
1日1回というと、朝食後に飲む、という人が多いかも知れません。ただ、「血圧は早朝に上昇することが多いので、それを効率よく下げるには、夜に飲んだ方がいい」という意見もあります。どちらが正しいのでしょうか?
今年の心臓病の専門誌に、高血圧の薬の飲み方と、心筋梗塞や脳卒中などの病気との、関連をみた論文が掲載されました。スペインで2万人近い高血圧の患者さんを対象に、血圧の薬を日中に飲むか寝る前に飲むかに分けて、長期の経過観察を行いました。すると、心筋梗塞や脳卒中になるリスクが、寝る前の方が45%も低下していたのです。同じ薬を朝から寝る前に飲む時間を変えるだけで、これだけの効果があったというのですから驚きです。
なぜこうしたことが起こるのかは不明ですが、夜に高血圧や心臓病に関係するホルモンが増加するので、それを寝る前の薬の服用により、効率的に抑えられるのではないか、という推測があります。もちろん、夜お酒を毎日飲むような人は、お酒と一緒に薬が体に入ることは問題なので、誰でも寝る前に薬を飲んだ方がいい、とは言えませんが、一度お医者さんに相談してみるのがいいかも知れません。