欧州で研究報告 身長が低い人ほど糖尿病になりやすい?
糖尿病が肥満と関係があるというのは、皆さんもよくご存じのことだと思います。
食べ過ぎや運動不足で体重が増えると、増加した内臓脂肪の影響によって、血糖を下げるホルモンである、インスリンの効きが悪くなる。それが原因と考えられています。
それでは、身長や足の長さと糖尿病のなりやすさとの間には、何か関係はあるのでしょうか? ヨーロッパで行われた大規模な疫学研究によると「身長が高いほど糖尿病になりにくかった」という意外な結果が報告されています。
その問題を更に細かく分析した研究が、今年の糖尿病の専門誌に掲載されました。
ドイツで2500人の一般住民を7年間観察したところ、やはり「男女とも身長が高いほど糖尿病のリスクは低下」していました。「身長」を「座高」と「足の長さ」に分けて分析すると、女性では座高も足の長さも同じくらい影響していましたが、男性では足の長さのみが関係していて、座高はあまり影響していませんでした。
それでは、なぜ身長が低いと糖尿病になりやすいのでしょうか? これははっきりと分かっていませんが、今回の研究結果の分析では、特に女性において身長の低さと内臓脂肪の量が関連を持っていて、身長の低い女性は内臓脂肪が多いことが、糖尿病のリスクの増加につながっている可能性が想定されています。
身長や足の長さよりも、どうやら内臓脂肪が本当の悪玉であるようです。