サルコペニア予防 中高年からの筋トレは効果があるのか?
日本は超高齢化社会に突入しています。すでに高齢者であったり、近い将来高齢者になる人にとって大事なのは、一日でも長く、日々の生活において現役であり続けることです。この場合の現役というのは、高齢者となっても、身の回りのことを援助なく行えるということです。
その大きな障害となっているのが、加齢による筋肉量の低下です。これを専門用語で「サルコペニア」と呼んでいます。高齢になると、同じように生活していても、徐々に筋肉の量は低下して、その力も弱くなるので、それが転倒や骨折、内臓機能の低下などにつながるのです。
それでは、高齢者でも運動をすることにより、筋肉の量を増やすことができるのでしょうか? それはまだ結論が出ていない問題です。高齢になると筋力トレーニングをしてもあまり効果はない、という考え方もあります。また、個人差があって、若い時から運動習慣のあるような人では効果があっても、中高年になってから運動を始めた人ではあまり効果はない、という意見もありました。
今年の生理学の専門誌に、それについての興味深い研究結果が掲載されています。運動選手と運動経験のない高齢者に、同じように筋力トレーニングをしてもらったところ、運動後の筋肉合成につながる反応には、ほとんど差がなかったのです。
中高年から始めた筋トレでも、誰でも筋力アップは可能であるようです。