世界的科学誌で報告「膵がん」はお腹のカビが原因だった?

公開日: 更新日:

 とはいえ、人間が許容するカビの量はわずか。その増殖は腸内に数多く寄生している細菌により抑制されている。

「大腸や小腸などの腸管には500種類以上の細菌が100兆個います。細菌は腸壁の表面にあるムチンと呼ばれるネバネバの層にいてその様子が草むらに似ているので腸内細菌叢と呼ばれています。それは指紋のように人によって菌の種類や分布が違います」

 菌には人間にとって有益な「善玉菌」と有害な「悪玉菌」、さらには善玉にも悪玉にもなりうる「日和見菌」があり、健康なときはそのバランスが取れている。ところが、少しでも悪玉菌が増えると日和見菌はそれに近い働きをするために数%の悪玉菌が増えることで、結果的に数十%の変化が起きるという。

■抗生物質の乱用でカビが増加

「善玉菌は悪玉菌の成長を抑える抗菌物質を分泌したり、病原体の体内への侵入を防いだりする作用があります。ほかにビタミンや酵素を作ったり、ミネラルを吸収しやすいかたちにしたり、食物繊維を消化して、短鎖脂肪酸といわれる腸の上皮細胞の材料になる栄養素を作り出したり、女性ホルモンや脳に影響するセロトニンを産出します。腸内でカビが増えることは、その分、人間に有益な善玉菌が減ることを意味し、多くの弊害が表れることになるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動