脳梗塞の意外なサイン…年を重ねて「背」が縮んだら要注意
角田医師は東京医療センターに移って以降、東京医療センターをはじめとする国立病院機構の12施設の患者データを分析。対象者は65歳以上85歳未満で、脳梗塞患者72人と、めまいや難聴で受診した患者163例(脳梗塞と診断された人は除く)。
この分析の結果、脳梗塞患者の87・5%に頚動脈変位走行異常が見られた。脳梗塞でない人では、8・6%だった。
身長についても調べた。身長が3センチ以上減っている人は、脳梗塞患者の76・4%。一方、脳梗塞でない人では19・6%。また、脳梗塞患者の87・5%を「頚動脈の変位走行異常+身長3センチ減」が占めていた。脳梗塞でない人では6・75%だった。
「首の辺りで前かがみになると、胸、胸郭、頭のてっぺんの距離が近くなり首が短くなります。ここには頚動脈があり、加齢で硬くなっているので縮まらず、狭い首の辺りで不自然に曲がるしかなく、脳梗塞を起こしやすくなるのです」
変位走行異常が起こった最初のうちは、頚動脈が動くので喉の違和感を覚える。経験を積んだ耳鼻咽喉科医が脈を取りつつ口腔内の検査をすれば、異常を見つけられる。