脳梗塞の意外なサイン…年を重ねて「背」が縮んだら要注意
老親を見て「小さくなった」と感じることがあるだろう。その“変化”は、脳梗塞のリスクが高い状況かもしれない。
「高齢者で前かがみの姿勢になっている人は少なくありません。顔が下を向き、首の辺りから前かがみになっている場合は特に要注意です」
こう指摘するのは、国立病院機構東京医療センター感覚器センター(耳鼻咽喉科学)の角田晃一医師だ。こういう高齢者が喉の違和感を訴えた場合、角田医師は脳梗塞の予兆を疑うという。
角田医師が別の病院に勤務していた頃、耳鼻咽喉科の外来に82歳の男性が内科から紹介されてきた。患者は咽頭の異物感を訴えており、右へんとうの肥大が原因ではないかとのことだった。
「視診では首の前屈があり、首が短くなっている印象を受けました。口腔咽頭を観察すると、明らかなへんとうの肥大は認められず、咽頭後壁(口の突き当たり)にコブのようなものが見られ、脈に同期してコブが拍動していました。経鼻的喉頭ファイバースコピーで頚動脈が不自然に曲がる変位走行異常が確認できました」(角田医師=以下同)