高齢ドライバーの事故対策は認知症に加え緑内障チェックも
地方では公共交通機関が充実していないことから、運転をやめたくてもやめられない高齢ドライバーが珍しくない。
緑内障で視野が欠けると、視界にぼんやりとしか見えない部分が出てきて、病気の進行とともにその数が増える。運転中に信号や横断歩道を渡る人が見えない――となるのだ。
「進行した場合、見えているのは見ようとしている真ん中だけ。しかし、かなり進行しても緑内障は中心一点は見えているので、そこさえ見えれば視力は良い、となる」
つまり、視力検査では緑内障の“見えにくさ”は表れにくい。右目も左目もかなり見えないところがあり、両目で見ても見えないところがあるのに、中心は見えているので視力は1・5……ということもあるのだ。
「緑内障になったからといってただちに日常生活に困ることもないし、安全運転も可能です。少し進行しても医師の指導の下に注意すれば、安全に運転できている人も多くいます。しかし怖いのは、自分に視野異常があるとは知らずにいること。緑内障で周囲がほとんど見えていないが、視力は悪くないので免許の切り替えが通って、運転をしていた患者さんに運転を禁止した例もあります」