血糖コントロールは冬に悪くなる 春はリカバリーに注力を
東京では例年よりもかなり早くに桜が咲き、まさに春。新型コロナウイルスの影響で、東京都や関東各県で28、29日の移動自粛の要請が出されました。このストレスフルな状況を、少しでも楽しいことを見つけることで、乗り切ってほしいと思います。
春といえば、私は患者さんによく「冬に悪化した糖尿病をリカバリーするのが春です」とお話ししています。
1~2カ月の血糖コントロールを示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、1~3月に最も高くなる傾向があります。これは1~2カ月前、つまり冬の血糖値が高いということ。冬に血糖値が高くなるのは、私たちが糖尿病データマネジメント研究会における登録病院38施設の約10万人強のデータベースをもとに血糖、血圧、脂質(LDLコレステロール)の季節変動などを解析した結果でも明らかになっています。この連載でも何度か取り上げていますね。
冬に血糖値が高くなるのは、まずは気温が低く屋内にこもりがちになり、運動量が減ること。気温が低いと血圧が上がりやすく、これも血糖値上昇と関係しています。