「コロナ流行の元凶は無症状感染者」説が浮上…数々の警告が
「興味深いのは、報告された例のなかには歌の教室で感染が広がったケースが複数あり、研究チームは声を張り上げた際に出た飛沫に含まれるウイルスにより、感染した可能性があるとしている点です。空気感染ではないものの、エアロゾル感染が現実に起きている可能性があるのではないでしょうか」(林院長=以下同)
エアロゾル感染とは、空気中でウイルスと液滴が混じって形成され、吸入すると感染が生じる状態のことを言う。
2月上旬の中国・上海市政府の新型コロナに関する会見で言及されたが、翌日の中国疾病対策予防センターの会見で否定された。しかし、これほど無症状感染者による感染拡大の報告が増え、感染のハッキリした状況がわからない以上、エアロゾル感染についての可能性も検討してもいいのではないか。
「これまで無症状感染者はウイルスに感染している以上、理論的に人にうつす可能性はあるものの、ウイルス量と病状の程度には一定の相関性があり、無症状感染者は発症しても症状が軽いため、ウイルス量が少なく伝染力は弱いとされてきました。しかも、無症状感染者は咳やクシャミの症状が出ないため、病原体を体外に排出して感染させる確率は低いと考えられてきたのです。しかし、これほど無症状感染者による感染拡大の例が積み上がってくると、そうした考えは間違いである疑いが出てきたのです」