感染拡大で手術を受けた患者からの問い合わせが増えている
新型コロナウイルスの感染拡大で、一般の患者さんの不安も大きくなっています。
最近いちばん多い問い合わせは、以前に心臓手術を受けた患者さん、もしくは経過観察中の手術予備群の患者さんたちから電話で寄せられる「もし自分が新型コロナに感染して重症化したら、先生にしっかり面倒を見てもらえますか?」という質問です。
そんな問い合わせに対しては、すべて等しく「受け入れの体制はできていますから大丈夫ですよ」と言うことしかできません。いわゆる「ムンテラ」(ムントテラピー=病状や病気について話術を用いて説明する医療行為)ですから、それ以上のことは何も言えないのです。
そうした患者さんたちのほとんどは、いまは症状が安定していて問題なく日常生活を送れています。しかし、さまざまなメディアで毎日のように「持病がある人は新型コロナ感染で重症肺炎になりやすく死亡率が高い」というメッセージが発信されているため、それを目にするたびに不安が募る一方だといいます。患者さんはまさに“当事者”ですから、「あ、これは自分のことじゃないか……」と感じ、「感染したら死んでしまう」という発想に直結させる傾向があるのです。