不登校になった私立中高生を待ち受ける厳しい現実と克服法
杉浦氏が理事長を務めるNPO法人高卒支援会は、通信制サポート校・フリースクールを運営し、不登校、高校中退やひきこもりの生徒を進学や就職につなげてきた。杉浦氏によると、最近不登校・ひきこもりになるケースが目立つが、中学受験をして私立の中高一貫校に進学した生徒だという。
「小さい頃から塾に行かせて必死に勉強を詰め込んで私立中学に入ったものの、そこで燃えつきてしまい、不登校になってしまう子がかなり多いんです。親からは、勉強して一流大学に入れと言われるものの、いまはいい大学に入っても人生が安泰な時代ではないことが子供にも分かっているので、なんのために勉強するのか分からなくなってくる。勉強しつづけることを強いる中高一貫校の雰囲気にも馴染むことができず、学校に行けなくなってしまうのです」
私立中学に通っていた場合、行けなくなったあとの進路が問題となる。自分の学区の公立中学校に入り直すと、小学校時代の同級生がいて、彼らには私立中学に行ったことを知られているものだから、いろいろ噂されてこちらも通いづらくなる。
「結局、形式的な出席を取るために、教育相談センターというところに通うものの、そこも行けなくなってひきこもりになってしまう、というケースが多く見受けられます」と杉浦氏は言う。