不登校になった私立中高生を待ち受ける厳しい現実と克服法
■変わるべきなのは親の価値観と発想力
2016年の内閣府の調査では、学校や仕事へ行かず、半年以上自宅にどじこもっている15~39歳のひきこもりの数は54万1000人。さらに、内閣府は2019年に初めて40~64歳までのひきこもりについての調査結果を公表したのだが、その数は若年ひきこもりをさらに上回る、61万3000人に上ったという。ひきこもりは長期化するほど脱却することが困難になるため、不登校が始まった中高生のうちに、どこかの学校に通わせるなど、軌道に乗せることが肝心だ。
「引きこもりの子の親御さんと話していると、一流大学に行かなければならないといった固定観念でがんじがらめになっていて、かえって選択肢を狭めていることが非常に多いです。大学に行かなくても就職の手段はいろいろあるし、高校にも全日制だけではないさまざまな種類があります。ぜひ視野を広く持って、お子さんが再び社会との接点を持てる進路を考えてあげてください」
コロナ禍による前例のない夏休み明けという危機を乗り切るのは、杓子定規な価値観に縛られない親の発想力なのだ。