小学生なら1~2カ月でゲーム依存に…親が今すぐすべきこと

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 子供がスマホゲームに夢中になっているのを放置していないか? それは非常に危険だ。ゲーム障害に陥る可能性がある。

「子供は脳が未発達のため大人よりもスマホゲームの影響を受けやすく、小学生なら1~2カ月でもゲーム障害になる可能性があります。そうなると治療は難しく、しかし治療をしなければ多くは治りません」

 こう指摘するのは、2011年に国内で初めてインターネット依存の専門外来を開いた久里浜医療センター院長の樋口進医師。ゲーム障害は、アルコール依存症などと並ぶ依存症のひとつ。WHOが定める国際疾病分類(ICD)において、昨年の改訂で病気として収載されている。

■「いくら言ってもやめない」なら危険

 ゲーム障害の前段階として「過剰使用」がある。親が「やめなさい」と言ってやめられるなら過剰使用で、この段階であれば、親と子供で対策(後述)を講じれば、ゲーム障害に至るのを食い止められる可能性が高い。

 一方、いくら言ってもゲームをやめない、スマホを取り上げると暴言を吐いたり暴力を振るう、朝起きられず日常生活に支障が出るといった問題が生じるようであればゲーム障害が疑われる。

「アルコール依存症や覚醒剤依存症などの依存症は、理性をつかさどる脳の前頭前野の機能が低下し、快感や心地よさを感じる神経伝達物質ドーパミンを受け取る受容体が減少することが研究で分かっています。ゲーム障害も同様のことが見られます。つまり本人が『やめたい』と思っても、脳の機能変化があるため、やめるのが難しいのです」

 当然ながら、健康や社会生活への影響が大きい。昼夜逆転の生活になり、飲食を忘れてゲームをし続けた場合は極度の低栄養状態になりかねない。

 学校の遅刻・欠席、成績低下、引きこもり、家庭内暴力なども起こり得る。親だけでなんとかできる状況ではなく、専門家の介入が必要だ。

■親子双方が納得できるルール作りを

「依存症に詳しくない医師などには『いつかゲームに飽きてやらなくなる』と言う人もいますが、スマホゲームは設定やストーリーがどんどんアップデートされ、ゴールがないので、飽きることはありません」

 精神保健福祉センターや保健所、依存症を診ている精神科などにまず相談する。

 しかし、子供本人が治療に協力的になることはまれだ。久里浜医療センターでも、親に無理やり連れてこられたか、親だけが相談に来ているケースが多い。

 医師は時間をかけて患者と信頼関係を築き、認知行動療法などの治療を行っていく。

 ゲーム障害までは至っていない場合は、どうすればいいのか?

「重要なのは、子供と話し合い、親と子供の双方が納得できるルール作りをすることです」

 具体的には、「守れなかった時はどうするかを決める」「『夜はゲームをしない』『宿題を終えてから★時間はOK』『食事中や入浴中はしない』など、ゲームをする時間帯を決める」「スマホはリビングで使い自室に持ち込まないなど、使う場所を決める」「スマホやパソコンは親が購入し、貸し出すという形にする」「有料ゲームや有料アプリのダウンロードを無断でできないようにし、課金限度額についても話し合う」「話し合ったルールは書面にし、目のつきやすいところに貼っておく」などだ。

 これらのルールは、親も守らなくてはならない。スマホを使わないと決めた時間帯では、仕事以外では使わない。

「スマホのゲームが身近な存在になった今、ゲーム障害は誰でもなるリスクがある」と樋口医師。それをしっかり認識すべきだ。

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