厚労省のワクチン承認・使用手続きはどうなっているのか
【A】「通常はワクチンの製造・販売の申請を行ってから早くて1年以上、通常4年以上かかっています。今回のような緊急を要するときは大きなネックになります。欧米や中国のように国が主導して急速にワクチン開発に取り組めるならいいですが、日本人は予防接種への抵抗も強く、世論を踏まえて政府の方針を出すのに極端に時間がかかります。他国で販売されている日本国内未承認の新薬を、簡略化した手続きで承認できる法律は必要だったわけです。パンデミック時には一日も早く火種を消すために、外国での臨床データを考慮しつつ早急に承認すべきです」
【Q】過去にこの特例制度を利用した例はあるのか
【A】 特例承認を最初に受けた新薬は、2010年1月に承認された「新型インフルエンザ」の輸入ワクチン「アレパンリックス(H1N1)筋注」ともう一種の2つ。
「20年には新型コロナウイルスの治療薬として、エボラ出血熱の治療薬として販売されていたレムデシビルが、申請からわずか3日で承認されています」
次回は、従来ワクチン開発から承認・使用許可までの治験内容や現時点で世界で採用されているワクチン一覧を紹介する。