世界初 アルツハイマー病を「治す薬」が日本でも承認申請へ

公開日: 更新日:

 ただ、アルツハイマー病の治療薬として開発が進んでいるのは、アデュカヌマブだけではない。エーザイ主導でバイオジェンがパートナーとなって開発された「レカネマブ」の第3相臨床試験(最終段階の臨床試験)がすでに開始されている。

 スイス・ロシュの「ガンテネルマブ」も第3相臨床試験中。米イーライリリーの「ドナネマブ」は第2相臨床試験(第3相臨床試験の前の試験)でポジティブな結果が出ている。

「アデュカヌマブやレカネマブは、何割かがアルツハイマー病に移行する軽度認知障害(MCI)やごく早期のアルツハイマー病が対象です。これらの治療薬が有効に使われるためには、MCI以前の段階でアルツハイマー病の原因物質アミロイドβの蓄積をチェックし、アルツハイマー病に移行するリスクが高い人を見つけ出すことが必須。そのための検査法も確立されつつあります」

 岩坪教授は、認知症発症の危険度を予測する方法の開発を目指す「J-TRC」も実施。ホームページ上(https://www.j-trc.org)ではインターネットを介した簡単な検査で認知機能をセルフチェックできる。

 高リスク群に根本治療薬をより早く投与できるようになれば、アルツハイマー病を発症せずに寿命を全うできる可能性も出てくる。やがては、「アルツハイマー病は根治可能な病気」となるかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情