初の認知症治療薬が登場か?それまで脳を健康に保つ方法
認知症は、高齢になればだれでもリスクが高くなる病気です。しかし糖尿病があり、血糖コントロールがうまくできていないと、認知症の発症リスクはより高くなります。糖尿病がある人はそうでない人に比べてアルツハイマー型認知症になるリスクが約1・5倍高く、脳血管性認知症のリスクは2・5倍高いとの報告もあります。
現在、アルツハイマー型認知症には4種類の薬(アリセプト、レミニール、イクセロンパッチ、リバスタッチ)が認可されています。ただ残念ながら、現在使われている薬は認知症の「治療薬」ではありません。つまり、認知症の進行を遅らせられても、進行を止める効果はなく、最終的に認知症は進行します。症状を劇的に改善させる効果もありません。
4種類の薬に期待できるのは、脳で生き残っている神経細胞を活性化させ、ある程度の働きを保つことです。認知症症状である記憶障害を緩和する作用も報告されています。脳の神経細胞の活動のバランスを調整し、イライラや不安を少なくするので、生活の質が上がる効果も期待できます。
治す術がなかった認知症ですが、昨年12月、「アデュカヌマブ」という薬の新薬承認が申請されました。