足の血流は痛みが出る強度まで運動することで改善する
動脈硬化は血管が老化することです。老化した血管は硬くなり、次第に細くなっていきます。心臓を栄養する血管が動脈硬化によって狭くなり、最終的に詰まってしまうのが心筋梗塞という病気で、同じことが脳の血管に起こると、脳梗塞になります。こうした変化は心臓や脳にだけ起こることではありません。
歩き始めには何も症状がなくても、しばらく歩くと足が痛くなって、それ以上歩けなくなり、休むとその症状が良くなることがあります。これを間欠性跛行と医療用語では呼んでいて、足の血管に動脈硬化が起こり、血管が狭くなることによって起こります。
進行すると、皮膚の色が悪くなり、潰瘍ができ、足を切断しないといけなくなることもあるのです。この病気が悪化する前であれば、運動をして血流を改善することにより、歩ける距離を長くすることができます。ただ、そこには少しコツがあるのです。
今年の米国医師会雑誌に掲載された論文によると、足の動脈硬化で歩くと痛みの出る患者さんに、痛みの出る強度まで運動してもらうと、1年で30メートル以上も歩ける距離が長くなりました。
しかし、痛みが出るまで運動しないと、むしろ歩ける距離は短くなっていたのです。
これはもちろん自己流では駄目で、お医者さんで診断を受け専門家の指導の下で行う必要がありますが、運動はこの病気には最も有効な治療法なのです。