抗体カクテル療法の現状は…いまのところコロナ治療の「切り札」とはいえない

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■感染が増えている若年層には使えない

 新型コロナウイルス、とりわけデルタ株は基礎疾患がない人でも急激に悪化して亡くなるケースが報告されている。軽い発熱や咳といった軽症のうちに重症化するのを防ぐ効果があるのは前進といえるだろう。しかし、コロナ治療の切り札といえるほど劇的なものではないのも事実だ。

「抗体カクテルは発症から7日以内に点滴で投与しなければなりません。8日目以降では有効性を示すデータがないためです。海外では外来による投与が前提になっているのも、発症から早い段階で実施する必要があるからです。しかし、日本では基本的に入院での投与です。厚労省は外来でも使用できるよう検討していますが、投与してから数時間、容体をフォローできる施設に限られます。開業医や小規模な医療機関では実質的に不可能です。現在、コロナ患者を受け入れている医療機関の多くは、重症患者の入院で手いっぱいですから、軽症の患者さんに広く投与されるまでには時間がかかるでしょう。さらに、抗体カクテル療法の対象になる患者さんは、①50歳以上②50歳未満で基礎疾患がある人③酸素投与の必要がない人、とかなり限定されています。現時点では、感染が増えている若年層にはほぼ使えないのです」

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