自由診療歯科医が教える歯のケア(5)インプラントをどう考えるべきか?
総入れ歯ではどうか。公的医療保険でまかなえる中には、外側から見てもまったく総入れ歯とわからず、違和感なく使えるものもある。しかし、相談を受ける人の総入れ歯は粘膜への適合精度が悪く、上下が理想的に噛み合わないものが多いという。
「材料や技法に制限がなく自由診療で作れる総入れ歯の中には立派なものも多い。それでも、作った当初はよくても年を重ねるうちに合わなくなります。義歯が合わなくなる理由は、歯が失われたことで歯根による歯槽骨への刺激が失われ、歯槽骨がやせていくからです。しかし、インプラントはその心配がない。私は長い目で見れば、しっかりしたインプラントを作る方が快適だし、安上がりだと思います」
そのためには、インプラントを支える十分な骨量があるのか、骨の厚さ、深さ、くびれはどうか、糖尿病などで感染のリスクがないかなど、正しい診断をしてもらったうえで、しっかりした技術を持った歯科医に作ってもらうことが必要だ。
「そういうインプラントは、大抵は長持ちします。実際、チタンを使った世界最初のインプラントは50年以上機能し続けたことが記録されています。それでも、すぐにダメになる場合がある。定期的に歯科医のチェックを受けないことも原因のひとつです」