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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

患者さんが利用する栄養食品の購入で貴重な体験をした

公開日: 更新日:

 ある日、新しい味が発売されましたと、卸売業者さんから栄養ゼリーのサンプルが医院に届いたので、ある患者さんご家族にお渡ししたところ、いたく気に入ってもらいました。

 本来ならば通販サイトから患者さんご家族に直接買ってもらえばよかったのですが、この患者さん家族が多忙で個人での購入が難しく、それに卸売価格の方が安くて患者さんご家族も少しでも助かるだろうという思いから、今後はクリニック経由で発注し、診察時にスタッフが持参するという流れになったのです。ですがそのシステムが問題となったのでした。

 それは購入する量により単価や送料が変動するため、たまたま他の患者さんからの注文が多ければ単価が安くなるが、注文が少ない場合は送料が余分にかかったりするわけです。

 そのため患者さんへの請求額は、月によって変動してしまい、患者さんやご家族に対して不信感を持たれてしまったのです。また請求書を起こすクリニックのスタッフも、同じ品物なのに毎回、数字の違う卸売業者さんからくる請求書を確認し、そのたびに価格の項目を請求書のシステムに登録し直す必要がありました。事務処理にも手間がかかるし、事情を知らない患者さんやご家族からは問い合わせはくるわで、想像以上の労力がかかることになったのでした。

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