ドナー不足解消の手段として「異種移植」は大いに期待されている
このようなそれぞれのメリットとデメリットを考えると、異種移植の研究がさらに進んでいけば、人工臓器や再生医療とともにドナー不足を解決する手段のひとつとして、異種移植が実用化される可能性は十分にあるといえるでしょう。
異種の臓器は人間にとって“異物”ですから、どうしても何らかの拒絶反応が起こります。しかし、一部のウイルスや細菌のように、人間の体の中で共存できるようになる方法はあると考えられます。こうした観点からも、異種移植の研究は「病気」というものの本質に迫る可能性があるのです。医療者の立場からすると、さらなる進化、発展を期待しています。
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