認知症になりやすい血液型はあるのか? 世界中で研究が進む
この見解には一理あると考えています。なぜなら人間は加齢とともに血管が詰まりやすくなり、認知症を発症する原因でもある脳卒中や心臓病などの病気を発症しますから、血管が詰まりやすい血液型の人がよりリスクが高いのは当然と言えるでしょう。
心臓病のリスクについては、11年に米ハーバード公衆衛生大学院が発表した約9万人を対象にした調査で最も低いO型に比べて、AB型が1.23倍高いと報告しています。さらに心臓病と認知症の関係も米国心臓学会の「心臓病・脳卒中統計」(22年版)で、高血圧といった心臓病のリスクを高める生活習慣が「脳卒中やアルツハイマー病といった認知症の発症リスクを高める」とまとめています。
どの血液型であったとしても、血管の詰まりや高血圧を予防することが認知症のリスクを下げることにつながります。
▽今野裕之(こんの・ひろゆき) 2001年日本大学医学部卒業後、慶応義塾大学病院、日本大学医学部付属板橋病院、西東京市役所精神科産業医、医療法人回生会新宿溝口クリニック勤務(非常勤)などを経て、16年からブレインケアクリニック院長。日本認知症学会、日本抗加齢医学会などに所属。認知症予防、老化予防、精神疾患全般のテーマで講演も多数。