トリプルネガティブ乳がん…新たなメカニズムの薬の登場で診療はどう変わる?

公開日: 更新日:

 乳がんには、大きく分けて5つのタイプがある。そのうちの一つ、「トリプルネガティブ乳がん」に新たな薬が登場した。海外ではすでに使われていたが、日本でも製造販売が承認され、使えるようになったのだ。どんな薬なのか? そもそもトリプルネガティブ乳がんとは? 名古屋市立大学大学院医学研究科共同研究教育センター臨床研究戦略部特任教授の岩田広治医師に聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 トリプルネガティブ乳がんの新たな治療選択肢となったのは、「トロデルビ(一般名サシツズマブ ゴビテカン)」という薬だ。抗体薬物複合体という、抗がん剤など他の薬と異なるメカニズムの薬になる。

 抗体薬物複合体を構成しているのは、「抗体」「抗がん剤」「リンカー」の3つ。リンカーは、抗体と抗がん剤を血液中で安定して複合させる働きをする。

「抗体薬物複合体は、簡単にいうと、抗体に小さい抗がん剤がくっついているものです。抗体薬物複合体を投与すると、がん細胞の表面に発現した抗原を目印に抗体が血液中を進んで抗原と結びつき、リンカーが分解され、抗がん剤が活性化してがん細胞を攻撃します。かなり強力な抗がん剤ですが、がん細胞へ届けて効果を発揮するので、体への有害性は軽減できます」(岩田医師=以下同)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動