風邪をひきにくい体にする漢方薬やツボは? バリアー機能を正常化
漢方医学では風邪をひきやすいのは、気の働きである防御作用の低下によると考えられています。
防御作用とはウイルスや細菌など外部の邪気から体を守り、それらの侵入を防ぐ働きのことで、いわゆる現在でいうところの免疫におけるバリアー機能にあたります。したがって、風邪をひきにくい体にするには、気の働きを高め、バリアー機能を正常化することが必要になるわけです。
代表的な漢方処方としては、貴重な玉でできた屏風のごとく体をガードし、風邪を寄せ付けないという意味を持つ「玉屏風散」や「補中益気湯」があります。
特にこの補中益気湯は興味深く、もともと真ん中を意味する補中から転じて、体の真ん中にある胃腸の気を補うという意味を持っています。
風邪(邪気)の侵入を防ぐ役割を担っているのは主に肺の気なのですが、肺の気の後ろ盾として胃腸の気があり、胃腸の気を補うことにより、防御が強まるという考えに基づいているのです。軍隊でいう戦力を補充輸送する後方支援部隊といった存在でしょうか。