症状が出る前の治療「未病治療」に用いるツボはあるのか
西洋医学では何らかの症状が表れてから治療が行われるものですが、東洋医学ではそれだけに限りません。症状が出る前の治療、いわゆる「未病治療」を重要視しています。
そのため東洋医学の治療には「舌診」、脈を診る「脈診」、お腹を診る「腹診」といった独特な診断方法があります。これらによって体の状態を観察することで、患者さんの体がいまどのような状態かを判断するのです。
過去の連載でも述べられたように体の基本は臓腑であり、例えば「肝」が悪ければ、イライラしやすい、目が疲れやすいなどの症状が表れやすい体質となります。未病治療とは、体の状態を観察し、患者さんのバランスを見極め、「いまはこの状態でこの症状だが、やがてはこんな症状も出るだろう」と予測し、先回りしてアプローチをする治療といえます。