ニンニクは「臭い」がなければ高い健康効果が受け取れない理由…専門家に聞いた
■心臓病やがん予防効果の研究報告も
ニンニクの臭い成分であるアリシンの働きのうち、注目されているのが心臓血管疾患を予防する機能の研究だ。
「アリシンなどの硫黄化合物には、血行を促進して血液をサラサラに保ち、血液を固まりにくくする作用があります。動脈硬化や血栓がつくられるのを防ぐ可能性があるのです。また、血管の拡張にも関わっているため、血圧を下げる効果があることも報告されています。ほかにも、悪玉(LDL)コレステロールの酸化を抑制し、動脈硬化の一因になる動脈の内側に蓄積するプラークを減らす研究もあります。動脈の石灰化促進の抑制や血管内皮機能の改善も認められていて、これらの作用が相まって、心筋梗塞のリスク軽減につながると考えられています」
アリシンが変化したDADSやDATSなどのスルフィドには、抗がん作用があることが知られている。
アメリカ国立がん研究所では、がん予防に有効とされる野菜類の効果研究が行われ、「デザイナーフーズピラミッド」というランクが発表されている。研究された40種類の野菜の中で、ニンニクは唯一の“頂点”に位置づけられている。