ふらつき、めまい、息切れ…60歳以上は脳梗塞につながる心房細動を疑え
心房細動があれば速やかに適切な治療を受けることが重要。症状としては、ドキドキする、息切れ、めまい、ふらつき、疲労感などがある。
「しかし、心房細動は症状がないことも多く、定期検診の心電図検査などで初めて見つかる場合も少なくありません」
心原性脳塞栓症を起こさないためには、60歳以上でぐっと患者数が増えるので、その年齢を越えたら定期検診で心電図検査を受けるべき。
さらには、自己検脈の習慣を身につける。
「ポイントは、手首の親指の付け根部分に人さし指、中指、薬指の3本の指を当てて、拍動が規則的かどうかを確認する。脈が弱い、不規則、数えられないというときは、心房細動が疑われます」
病院で心房細動が判明したら、治療は抗血栓薬や抗凝固薬の治療になる。いわゆる「血液サラサラ薬」の服用で、アスピリンやワーファリンなどがある。
「これらの薬で心原性脳塞栓症を起こしにくくなります。ただし注意が必要で、頭蓋内出血や消化管出血といった出血性合併症の危険があります。アメリカのデータでは、院内死亡の一番の原因になっています」
アジア人は特に頭蓋内出血を起こしやすい民族であることがわかっている。頭蓋内出血は、高血圧、喫煙、飲酒、転倒で起こしやすくなる。つまり心房細動の治療には、血圧管理、禁煙、禁酒・節酒、転倒リスク(筋力やバランスの低下、視力障害、住環境など)の回避も必須となる。