老親の「多剤併用問題」対策のポイント…薬5種類以上で転倒リスクが増える
■薬剤師に同じ成分の薬が重なっていないかチェックしてもらう
たとえば、整形外科と内科を受診している場合、それぞれの科から鎮痛剤と胃薬が処方されていることがある。同じ成分の薬が重なって処方されているなら、主治医に伝え、減らしてもらう。
「何剤から多剤というのか、厳密な基準はありません。病気の数が複数ある患者さんでは、薬が多くても適正な処方であり、多剤併用にあてはまりません」
相談する薬剤師に迷ったら、厚労大臣が定める一定基準を満たし、かかりつけ薬剤師・薬局の役割を担う「健康サポート薬局」に行くといい。
■必要に応じてポリファーマシー外来を受信する
ポリファーマシーとは多剤併用のこと。大学病院を中心に、ポリファーマシー外来を設けるところが出てきている。
「少なくとも自分が飲んでいる薬の情報を調べることは良いことだと思います。自費で数万円ぐらいかかっても、その価値があると思っています」
あるケースでは、薬の処方数を見直したところ13種類から4種類になり、患者の認知機能が改善しQOL(生活の質)もアップ。薬代が年間30万円ほど浮いたという。