AIによる診断と治療はいずれ人間の医師を超えるだろう
プラークの破裂によって形成される血栓の除去に関してもAIを利用した治療が脳外科の分野で登場しています。例えば脳の血管に血栓が詰まって起こる脳梗塞に対しては、脳外科医がカテーテルを用いて血栓を吸引する治療が行われていますが、その処置をAIの支援によってある程度まで自動化するシステムの開発が進んでいます。
血管やプラーク=血栓の状態をAIが判断し、最適な機器や方法を選択したり、医師が行う処置を補助します。病変を間違いなく同定するための診断AIと、治療を確実に進めるための支援AIの両方を使い分け、医療が実施される時代になっているのです。
このままテクノロジーが進化していけばAIは医師よりも正確に病気を診断し、人間より優れた手術を行えるようになる可能性は高いと考えます。5年から10年先にはAIによる診断と治療はごくごく当たり前になっているでしょう。
「ChatGPT」と呼ばれる対話型AIの進化は、その根拠のひとつといえます。実際、米国の研究では、健康についての約200件の相談に対する回答を専門家が評価したところ、79%は人間の医師よりもChatGPTのほうが正確で質が高いと評価したのです。