AIによる診断と治療はいずれ人間の医師を超えるだろう
■人間らしく生きる時間を増やす助けにもなる
こうしたAIの急速な進歩に、米テスラ社CEOのイーロン・マスク氏らは警戒する発言をしています。AIに仕事を取って代わられる人間が大量に出るだろうという意見もあります。たしかにそうした一面はあるでしょう。しかし私は、AIはわれわれが人間らしく生きる時間を増やすために役立ってくれるのではないかと考えています。
情報通信のテクノロジーが一気に進んだ現代社会は、知的情報が飽和してあふれ返っています。しかもそうした情報は玉石混交で、自分にとっていま本当に必要な情報かどうかを取捨選択したり、信憑性や根拠レベルの高さを判断するだけで大変な労力です。そうした役割をAIに受け持ってもらえば負担を軽減できます。
それによって時間ができれば、今度は、自分にとって居心地がよく快適な空間を求める人が増えるでしょう。すると、例えばインターネット上に構築された仮想空間=メタバースを提供するような事業がどんどん登場することが予想されます。